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PCRプライマーの設計

[実験プロトコル]

PCRプライマーの設計

 GeneFisherGeneWalkerのサイトを利用したPCR用ユニバーサルプライマーの設計と確認方法の概説。

設計元配列の取得

 特定分類群全体で利用可能なユニバーサルプライマーの設計には設計元の配列が必要。まずは何という遺伝子の領域を使うかを決める。これには、対象分類群内でそれなりに系統的に遠そうなゲノムが解読されている種間でゲノム対ゲノムのBLASTを行ったり、過去の研究から当たりを付ける。遺伝子に当たりが付けられない場合はそのまま次へ。

 ターゲットとする領域が決まったら、NCBI Taxonomy Browserで対象分類群か、対象分類群を含む上位分類群名を入力して検索→分類群名を選択→右上の「Entrez records」テーブル内にある「Nucleotide」を選択してその分類群の塩基配列データリストを表示させる。検索ボックスに遺伝子名やキーワードを追加して絞り込む。必要なら1000:5000[SLEN]などと入力して配列の長さでも絞り込む(この例では1000〜5000bpに絞り込んでいる)。これを利用すると遺伝子に当たりが付けられなかった場合でも良さげな場所を探しやすい。

 リストを十分絞り込むことができたら、「Display」「Show」「Send to」をそれぞれ「GenBank」「最大値」「File」にして配列を根こそぎダウンロードする。BioEditの配列取得機能を使う場合は「File→Retrieve sequences from GenBank or GenPept」で入力ボックスを表示させてから、NCBIのリスト表示を「GI List」「最大値」「Text」にして「全て選択→コピー→BioEditのRetrieve sequences from GenBankボックスに貼り付け」ることでBioEditに配列を取得させることができる(ただしあまり高速ではない)。配列の取得は、日本の場合ゲノムネットのGenBankデータベースから取得すると高速。DBGETの使い方を踏まえてURLを入力すれば一発で大量の配列をダウンロードできる。こちらにDBGETからの配列ダウンロードを補助するCGIを設置してあるので、NCBIのリスト表示を「Brief」「最大値」「Text」にして「全て選択→コピー」し、フォームに貼り付けてsubmitすれば配列を取得できます。

コンセンサス配列を用意する

 GeneFisherサイトでもアライメントとコンセンサス配列生成はできるが、データが大きい場合はサーバに負担をかけてしまうので好ましくない。そこで、自前で予めコンセンサス配列を用意してGeneFisherに送ることにする。

 まず、対象となる複数の塩基配列をアライメントする。ClustalWなりMAFFTなり好きなものを使えばよい。アライメントが終わったらコンセンサス配列を得る。BioEditなら「Alignment→Create Consensus Sequence」で一発。

GeneFisherによるユニバーサルプライマー設計

 コンセンサス配列ができたら、GeneFisherのサイトに送る。FASTA形式でフォームに貼り付けるか配列ファイルを指定する。BioEditなら配列を選択して「Edit→Copy sequences to clipboard (Fasta Format)」。

 プライマーデザインパラメータとしては、プライマーの長さ・GC含量・Tm値・PCRプロダクトの長さを指定する。また、3'末端の指定塩基数分のGC含量と末端の塩基も指定できる。以下に推奨設定を記す。

パラメータ
Length 18-25bp
GC content 30-60%
Tm 45-60℃
Product Size 500-1500bp
3' length 2bp
3' GC content 50%
End primer with ACGT

 これでいくつかのプライマーセットができあがる。

GeneWalkerによるプライマーのチェック

 コンセンサス配列の生成に用いた配列のどれかの、プライマーで増幅する範囲をTarget sequenceに貼り付けてFormat。Primer 1と2にはforward側とreverse側のプライマーを貼り付ける。「Primer dimers」「2:ary struct」「Anneal」でそれぞれできそうなプライマーダイマー・二次構造・アニールする箇所の確認ができる。NCBIe-PCRも併用するとなお良し。

最終更新時間:2006年12月08日 23時11分13秒