[実験プロトコル]
PCR
ポリメラーゼ連鎖反応法を利用して特定の範囲のDNAのみを増幅させる。反応に利用するポリメラーゼは高価で、常温以上でどんどん劣化するので十分に注意する。ここではTaq DNAポリメラーゼを用いた典型的な場合を記す。
必要なもの
- 適当なチューブ 1本
- 600ulチューブ 1本 or 8連チューブ 1/8本 /sample
- 10x PCR Buffer 2ul /sample
- 10mM(2.5mM each) dNTPs Mixture 2ul /sample
- 5〜10uM Primer 2ul x2 /sample
- ミリQ 10.9ul /sample
- Taq DNAポリメラーゼ(5U/ul) 0.1ul /sample
- 鋳型DNA水溶液 1ul
マージンは実際に使用するサンプルよりも1サンプル分多めに作成することで用意するのが正道ではあるが、1サンプル当たり0.25ul、8サンプル当たり2ul多めにミリQを加えるという対処法も使えなくはない(推奨はしない)。
手順
- 使用するチューブが入るチューブ立てを冷凍庫に入れておくか、熱伝導性の高いアルミ製チューブ立てを用意しておく
- チューブに10x PCR Buffer 2ul、10mM(2.5mM each) dNTPs Mixture 2ul、5〜10uM Primer 2ul x2、ミリQ 10.9ulをサンプル数+2(ネガコン+マージン)だけ入れる
- 使用するチューブに鋳型DNA水溶液を1ul(ネガコンではミリQ 1ul)入れておく (あらかじめ薄くしておいてピペットで取りやすい量入れてもよい。ただし2でミリQを減らすこと)
- 2を氷上に移してTaq 0.1ulをサンプル数+2倍加える
- 3を1のチューブ立て(鉄製チューブ立ては氷冷)に移して4を19ulずつ加える
- 必要ならミネラルオイルを一滴加える
- サーマルサイクラーにセットしてPCR
- アガロースゲル電気泳動でスクリーニング
TaqはTaKaRaのEx-TaqでもNEBの激安Taqでも濃度は同じなので全く同じプロトコルでよい。コスト削減のため液量をさらに減らすことを推奨。ただし10ul未満は失敗する可能性が高まるので非推奨。PCRのプログラムはアニーリング温度に注意。非特異的増幅を減らすにはTaqを加える段階からは全て氷上で作業する(チューブ立てを冷凍庫で冷やすのはその代用)、徐々にアニーリング温度を下げていくStep Downサイクルなどプログラムを工夫する、AppliedBiosystemsのAmpliTaq GoldなどのHotStart用ポリメラーゼを使う、などの対処を取る。
最終更新時間:2007年05月27日 18時12分08秒